← 記事一覧へ戻る 2026.02.19

飛行機雲は「水」でできている

青空に長く伸びる飛行機雲は、飛行機のエンジンの排気ガスに含まれる水蒸気が、上空の極めて冷たい空気と混ざり合うことで発生する、一時的な「人工の雲」です。その正体は、微細な水滴や氷の結晶からなる身近な気象現象なのです。

青空に描かれる白い筋:飛行機雲の不思議な正体

青い空に長く尾を引く白い筋、飛行機雲。私たちの誰もが一度は目にしたことがあるこの美しい光景は、一体何でできているのでしょうか?単なる煙だと思われがちですが、その正体は、私たちが普段目にする雲と同じく、科学的なメカニズムによって生まれる「人工の雲」なのです。

飛行機雲は「水」でできている

飛行機雲の主な成分は、実は水、それも微細な水滴や氷の結晶です。飛行機がジェットエンジンで飛ぶ際、燃料が燃焼することで水蒸気が生成され、これが排気ガスとして機体後方から排出されます。この高温・高湿の排気ガスが、上空の極めて冷たい空気と急激に混ざり合うことで、目に見える白い筋となるのです。

飛行機雲ができる条件とは?

飛行機雲はいつでも発生するわけではありません。いくつかの特定の気象条件が揃うことで初めて形成されます。

飛行機雲が生まれるメカニズム

具体的な形成プロセスを見ていきましょう。エンジンから勢いよく噴き出す摂氏数百度の排気ガスは、マイナス数十度の上空の空気と一瞬で混ざり合います。この急激な温度変化によって、排気ガス中の水蒸気は過飽和状態となり、凝結核となるすす粒子や大気中の微粒子を足場として、急速に微細な水滴(過冷却水滴)や氷の結晶に変わります。

私たちの身の回りでも、寒い日に息を吐くと白くなる現象に似ています。口から出る暖かい湿った空気が、外の冷たい空気と混ざり合うことで、含まれる水蒸気が小さな水滴となり、白く見えるのです。飛行機雲は、これと同じ原理が、より大規模に、そしてはるかに低い気温の上空で起きている現象だと考えると理解しやすいでしょう。

すぐに消える雲と、長く残る雲

飛行機雲の中には、飛行機が通り過ぎた後すぐに消えてしまうものと、何十分も、時には数時間も空に残り続けるものがあります。この違いは、その時の上空の湿度と安定性によって決まります。

次回、空に飛行機雲を見かけたら、それがなぜそこに存在し、なぜその形をしているのか、少しだけ科学の視点から眺めてみてはいかがでしょうか。身近な現象に隠された、地球と空の壮大なメカニズムを感じられるかもしれません。