← 記事一覧へ戻る 2026.02.19

空の色を決める光の散乱

空が青く見えるのは、太陽光のうち波長の短い青い光が大気中の分子によって強く散乱される「レイリー散乱」が原因であり、夕焼けが赤いのは青い光が散乱され尽くし赤い光が残るため、また雲が白いのは光が均等に散乱される「ミー散乱」によるものです。

なぜ空は青いのか? – レイリー散乱の不思議

「空はなぜ青いのだろう?」この素朴な疑問は、子供の頃に一度は抱いたことがあるかもしれません。毎日見上げる空の美しい青色は、実は地球の大気と太陽の光が織りなす壮大な物理現象によって生み出されています。今回は、この空の青さの秘密、特に「レイリー散乱」という現象に焦点を当てて、そのメカニズムを紐解いていきましょう。

空の色を決める光の散乱

私たちが普段見ている太陽の光は、一見すると白く見えますが、実際には様々な色の光が混ざり合ってできています。虹が七色に見えるように、光は波長によって異なる色を持っています。これらの光が大気中を進むとき、空気中の小さな分子(窒素分子や酸素分子など)に衝突し、あらゆる方向に散らばります。この現象を「光の散乱」と呼びます。

レイリー散乱とは何か?

光の散乱にはいくつかの種類がありますが、空の青さを説明する上で最も重要なのが「レイリー散乱」です。レイリー散乱とは、光の波長よりもはるかに小さな粒子(この場合は空気中の分子)によって光が散乱される現象を指します。この散乱には、非常に重要な特徴があります。

昼間の空が青い理由

太陽の光が地球の大気圏に差し込むと、その中の短い波長の青い光(そして紫の光も)が空気中の分子によって強く散乱されます。この散乱された青い光が私たちの目に届くため、空は青く見えるのです。

夕焼けや朝焼けが赤い理由

では、なぜ夕方や朝の空は赤く染まるのでしょうか?これもレイリー散乱で説明できます。

雲はなぜ白いのか?

空の青さとは対照的に、雲は通常、白く見えます。これはなぜでしょうか?
雲は、空気中の水蒸気が凝結してできた非常に小さな水滴や氷の粒で構成されています。これらの水滴や氷の粒は、空気中の分子に比べてはるかに大きく、太陽光の様々な波長に対して同じように光を散乱させます。この現象を「ミー散乱」と呼びます。

私たちが何気なく見上げる空の青さ、そして夕焼けの赤さ、さらに雲の白さまで、これらの美しい自然現象の裏には、光の波長と大気中の粒子の大きさによって異なる「光の散乱」という物理法則が深く関わっています。日々の風景の中に隠された科学の不思議を知ることで、世界はより一層魅力的に見えてくるのではないでしょうか。