← 記事一覧へ戻る 2026.02.19

シャボン玉の虹色の秘密

シャボン玉が虹色に輝くのは、光がシャボン玉の非常に薄い膜の表面と裏面で反射し、それらの光が互いに強め合ったり弱め合ったりする「薄膜干渉」という現象が原因です。この膜の厚さの変化が、私たちが見る色を絶えず変化させています。

今日の豆知識:シャボン玉が虹色に見える理由 今日の豆知識:シャボン玉が虹色に見える理由

誰もが一度は目にしたことがあるシャボン玉。ふわりと宙を舞うその姿は美しく、特に太陽の光を浴びてキラキラと輝く虹色の模様には、思わず見とれてしまいます。この儚くも美しい虹色の輝きは、一体なぜ生まれるのでしょうか? 今回は、シャボン玉が織りなす色彩の科学に迫ってみましょう。

シャボン玉の虹色の秘密

シャボン玉の表面に現れる虹色は、単に色が塗られているわけではありません。その秘密は「光の干渉」という物理現象にあります。シャボン玉は非常に薄い石鹸水の膜でできており、この薄い膜が光と特別な相互作用を起こすことで、私たちを魅了する虹色のスペクトルを映し出しているのです。

具体的には、「薄膜干渉」と呼ばれる現象が深く関係しています。

薄膜干渉とは何か?

光は波の性質を持っています。薄膜干渉とは、この光の波が非常に薄い膜を通過する際に、膜の表面で反射する光と、膜を透過して裏面で反射し、再び膜を透過して出てくる光とが重なり合い、互いに影響を及ぼし合う現象を指します。シャボン玉の膜の厚さは、わずか数マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの千分の1)程度しかありません。この極めて薄い膜が、光の干渉を引き起こすのに最適な条件を作り出しているのです。

光には様々な波長のものが含まれており、それぞれが異なる色に対応しています。例えば、赤は波長が長く、紫は波長が短いといった具合です。

膜の厚さと色の変化

シャボン玉の膜の厚さは、常に一定ではありません。重力の影響で膜の上部から下部へと水が流れ落ちるため、膜の上は薄く、下は厚くなる傾向があります。また、蒸発によっても膜の厚さは常に変化しています。この膜の厚さの違いこそが、シャボン玉に様々な色が現れる要因となります。

膜の厚さが変化すると、表面反射光と裏面反射光が空気中を進む「経路の差」が変わります。この経路の差と光の波長の関係によって、特定の波長(特定の色)の光だけが強く反射され、他の波長の光は弱め合って見えなくなります。例えば、ある厚さの膜では赤色の光が強め合い、別の厚さの膜では青色の光が強め合う、という具合です。

シャボン玉をじっと見ていると、色が常にゆらゆらと変化していることに気づくでしょう。これは、膜の厚さが時間とともに刻々と変化しているためです。膜が非常に薄くなると、やがては光が強め合う条件を満たせなくなり、最終的には黒っぽく見え、そして破裂します。黒く見えるのは、可視光のほとんどが弱め合って反射されなくなり、光がほとんど届かない状態になるからです。

身近な薄膜干渉の例

この薄膜干渉は、シャボン玉だけに限定される現象ではありません。私たちの日常生活の様々な場所で観察することができます。

シャボン玉の儚い美しさの裏には、このような科学の法則が隠されていました。身近な現象に目を凝らしてみると、意外な発見や学びがあるものです。次にシャボン玉を見かける機会があったら、ぜひその虹色の変化を科学の視点から楽しんでみてください。